ステッピングモータは正確な位置決め動作が可能なため、高精度が要求される位置決め作業で使用されます。静止した固定子とその内部で回転するロータで構成され、固定子とロータの磁場の並び方が異なることで発生するトルクによって駆動されます。ロータは常に最大の磁束が発生するように回転します。ステッピングモータは主にファクトリーオートメーションで使用されていますが、機械工学やプラントエンジニアリングの分野においてもますます使用されるようになっています。
ステッピングモータの特徴は低回転速度での非常に高いトルクです。これにより、一方では迅速な開始が可能になり、他方では高い保持トルクによりアプリケーションを簡単に停止させることができます。同様に、回転方向もいつでも素早く変更することができます。ステッピングモータのその他の基本的な利点はその使用によって達成される高レベルの精度、それぞれのロータ位置の簡単な制御です。さらに、ステッピングモータにはブラシが取り付けられていないため、アプリケーションの高い機械的耐久性に大きく貢献しています。
基本的にステッピングモータにはリラクタンスステッピングモータ, 永久磁石ステッピングモータ, ハイブリッドステッピングモータの3種類があります。ハイブリッドステッピングモータはリラクタンスステッピングモータおよび永久磁石ステッピングモータの特性を兼ね備えているため、3種類の中で最も効率的なモータと言えます。ハイブリッドステッピングモータには複数の歯が付いた固定子極を備えた固定子と、それぞれ1.8度のステップ角で動く最大200個のロータ歯からなるロータがあります。ハイブリッドステッピングモータは高い静的および動的トルクと非常に高いステッピング速度を備えているため、PCドライブおよびプリンターなどの多くのアプリケーションで使用されています。産業界におけるハイブリッドステッピングモータの主な応用分野は工作機械およびハンドリングマシンです。
Festoはステッピングモータのさらなる開発と生産においてハイブリッド技術を重視しています。ステッピングモータ EMMS-STはFestoのコアプログラムの1つであり、単純な位置決めアプリケーションに最適です。EMMS-STは高い駆動トルクで小さなステップ幅を可能にし、接続技術を最適化しており、フランジ寸法28, 42, 57, 87の4つのサイズをご用意しています。また、オプションで保持ブレーキを装備することもできます。