製品のライフサイクルは特にエレクトロニクス業界でますます短くなっています。企業は様々なタイプに簡単に変換できるフレキシブルなオートメーションソリューションでこれに対応できます。このようにして大小のバッチサイズの経済的な製造を実現できます。同時に製造プロセスと最終製品の両方に対する品質要件が高まっています。高度なオートメーションはエラーの排除に役立ち、これにより精度が高まります。しかし同時に製造現場のスペースがますます不足します。コンパクトな機械設計が必要とされています。オートメーションソリューションに全ての要素をまとめることは困難な作業です。システムのフレキシブルな調整とスケーリング, 単純な構成とセットアップ 迅速なコミッショニングなど、多くの要件を同時に満たす必要があります。高度な信頼性と精度を実現すること、そして購入価格とメンテナンスコストを抑えることも欠かせません。小型平面ガントリEXCMではFestoは全ての要素を組み合わせることに成功しました。

常に同じベース

小型平面ガントリEXCMはとても多様な処理タスクに対応するフレキシブルで費用効果の高いオートメーションソリューションです。パラレルキネマティックベルトドライブのコンセプトのおかげでドライブモータの位置は固定されています。つまり、Y軸を駆動するためにモータを一緒に移動する必要はありません。移動負荷が小さいためコンパクトで高性能なシステムになります。これにより小型平面ガントリは機械/システムメーカーに効率的な最先端のオートメーションプラットフォームを提供します。マテリアルの処理とプロセス管理は常に同じベースで実行できます。フロントエンドのみを交換する必要があります。

すばやく正確に確認する

小型平面ガントリEXCMの使用の成功例として挙げられるのはVisatronic GmbH社のフライングプローブテストシステムです。小ロットやプロトタイプでは回路基板の経済的なテストはとても困難です。そのためVisatronic社は既存のテストシステムVisatestを拡張しました。新しいテストデバイスは電子モジュールにテストニードルを配置します。これにより正しい処理が検証され、モジュールの機能がチェックされます。このテストシステムは小型平面ガントリに最適です。Y軸に恒久的に取り付けられているアクチュエータは移動軸上で一緒に移動する必要がありません。構造がコンパクトで移動負荷がわずかであるため完全な対角線のために必要な2秒の移動時間と、0.1mmの必要な位置決め精度は問題ありません。小型平面ガントリでは最大500mm/sの速度とx/yシステムで±0.05mmの範囲の繰返し精度も可能です。

フィンランドのPKC社もタッチスクリーンとボタンを持つモバイルエンドデバイス用のテストデバイスで小型平面ガントリEXCMを使っています。EXCMは様々なテスト位置へのアプローチとテストシーケンス内の動きを担います。Ready-to-Installのこのハンドリングソリューションはそのコンパクトさ, 魅力的な価格, 高いフレキシビリティ, スケーラブルなメカニクスが何よりも感銘を与えるものになっています。詳細についてはこちらをご覧ください:小さな形状で発揮される精度

より経済的なシステム

経済的な購入と運用が可能であることや、Ethernetを介したフレキシブルな制御が可能であることも小型平面ガントリEXCMを採用する重要な理由になります。目標位置や移動速度などの全ての指定はスリムで費用効果の高いこのシステムで直接行えます。このシステムは2つのサーボモータの制御を担います。このようにして小型平面ガントリの移動プロセスは目標位置, 移動速度, 方向など、簡単にプログラミングできます。

小型平面ガントリEXCMはラボオートメーションや電子機器の製造, 小型部品の製造, 組み立て, ハンドリングに最適なシステムコンポーネントです。

小型平面ガントリEXCMの概要

高度な動的応答性: モータが固定された機械的構造により移動負荷が減少し、両方のモータの駆動力が重なって発揮されます。これにより10m/s²の高加速が可能になります。

高度なシステム精度: キネマティック構造により±0.05mm(x/y)のシステム繰返し精度が可能になります。

デザイン時間が短縮: インタフェースとサイズが定義された完全システムです。

簡単に注文できるように、1つの注文番号だけを使用します。シンプルな構成によりモータ, コントローラ, ケーブルを含む完全に調整されたハンドリングシステムが提供されます。

コミッショニングが簡単: EXCMはFesto Configuration Tool(FCT)を搭載したPCまたはラップトップパソコンを使ってEthernetLAN経由で簡単に構成できます。

  1. Festoカスタママガジン"trends in automation", 2014年2号掲載
  2. 写真:Matti Immonen