Harwin社の回路基板

規格化でフレキシブルに対応

サーボプレスとハンドリングでコネクタを組み立て

回路基板でより多くの性能をより小さな領域に詰め込むことが可能であるのと同様に、コネクタ開発者はより軽量かつより小さなコネクタでより多くの電力に対応し、接点をより密集させて収納することに取り組んでいます。品質とフレキシビリティを確保するために、イギリスのファミリー企業Harwin plc社はサーボプレスキットYJKPとコンパクトなハンドリングシステムYXMxを使用したFestoのオートメーションを活用しています。

Harwin社の高品質コネクタは過酷な環境条件でよく使用されます。これらのコネクタはそのような場合に信頼性と優れた耐用年数を発揮します。そのためHarwin社のコネクタを注文するのはコスト意識の高い家電メーカーだけではなく、航空宇宙やモータースポーツ, 自動車産業など、高性能なコネクタを必要とする企業も見られます。このようなユーザでは-65℃~+150℃の過酷な運転温度や激しい振動は日常的なものとなっています。このためコネクタは常により高度な基準を満たす必要があります。

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高い基準

市場の要求に応えるためHarwin社はGeckoコネクタ製品シリーズを導入しました。この先進的なコネクタのピン間隔はわずか1.25mmでマイクロDコネクタに比べてサイズが半分、重量は75%軽くなっています。堅牢なねじ接続のおかげで損傷することなく無数の差し込み操作に耐えることができます。

同社はGeckoコネクタの製造プロセスを手動プロセスから高度に自動化されたソリューションへと常に進化させてきました。これにより年間数十万個のコネクタを1個あたり4〜50の接点と多くの回路基板取り付けオプションによる幅広いコネクタ構成で製造することができます。

モジュール式のコンセプト

Geckoコネクタの製造をより効率的にすることを目的としてHarwinは高度に自動化されたフレキシブルな新しい製造ラインの開発を開始しました。形状とサイズの構成が異なるコネクタを1つの組立ラインで製造できるようにする必要がありました。「このためにFestoと協力してモジュール式のコンセプトを開発したのです。」(Paul McGuinness:Harwin社の製造責任者)

Harwin社の新しい組立ラインでの主な役割はFestoのサーボプレスキットYJKPとコンパクトなハンドリングシステムYXMxが担っています。このハンドリングシステムはシステムの複数のステーションで組み立てられるプラスチックハウジングを持つワークキャリアのXY移動を処理します。コンタクトピンの圧入および曲げ加工にはZ軸で位置・力制御のプレス動作が簡単に構成できるサーボプレスキットが役立ちます。

同一部品を使用

電動/空気圧アクチュエータはCPX-MPAバルブターミナルと組み合わせたコントローラCECC-Xによって全てのステーションで制御されます。「これらのFestoシステムでは同一部品が常に使用されるため高レベルの規格化とモジュール化を実現できます。これによりコミッショニングとメンテナンスが容易になります。」(Paul McGuinness) コネクタを製造するための組立ラインの1つはコンタクトピンを挿入するステーション, コンタクトピンを押し込むステーション, そしてコンタクトピンを曲げるステーションという3つの中央ステーションで構成されています。最初のステーションではワークキャリアにコネクタの成形パーツが載せられ、小型ハンドリングシステムYXMxでコンタクトピンを挿入するための位置決めが行われます。2番目のステーションではサーボプレスがコンタクトピンをプラグハウジングに押し込みます。
Festoの精密グリッパHGPTはピンが押し込まれるときに、プラグハウジングがあるワークキャリアを固定します。

ダイナミックで正確

ハンドリングシステムYXMxの一部であるコンパクトな平面ガントリのキネマティクスによりプレスツールの下にコンポーネントをダイナミックかつ正確に配置できます。これは移動負荷が小さいために、問題なく機能します。
モジュール式サーボプレスキットYJKPには閉ループ制御のサーボモータ, アクチュエータ, モーションコントローラ, 力検出システム, 対応するアプリケーションソフトウェアが含まれています。結果:コンタクトピンプレスの工具によりピンが正確かつ強力に、そしてソフトに正しい位置へ移動します。包絡線監視やブロック力の監視など、付属のアプリケーションソフトウェアの評価機能は締まりばめが許容範囲内にあるかどうかを検出します。

Harwin, コンパクトなハンドリングシステムYXMx

ダイナミックで正確: コンパクトなハンドリングシステムYXMxによりサーボプレス下でのワークのXY移動が保証されます。

モジュール式で安全

コンタクトピンを必要な角度に正確に曲げるために、ハンドリングシステムとサーボプレスキットはコンタクトピンを曲げる最後のステーションでも使用されます。コントローラCECC-XのCODESYSソフトウェアの使用により作業サイクル全体で位置と力を制御してサーボプレスプロファイルを包括的に制御できます。

付属のアプリケーションソフトウェアによりサーボプレスのプログラミングが非常に簡単になります。直感的に操作できるグラフィカルユーザーインタフェースを利用できます。このため特別なプログラミング知識がなくてもプレスプロファイルを様々なコネクタタイプに簡単に適合させることができます。CANバス接続経由でマスタコントローラCECC-Xによって制御されるバルブターミナル付の3つのCPXターミナルは多数の電動/空気圧グリッパとアクチュエータを次々に作動させます。

「自動化されたモジュール式コンセプトにより製造コストが削減され、信頼性、精度、再現性、フレキシビリティが向上します。」(Paul McGuinness)

設定された基準

電気コネクタの新しい組立ラインはHarwin社での高度な技術基準になっているだけではありません。これによりモジュール式でスケーラブルなオートメーションコンセプトが生まれています。"ピン接点のプラグハウジングへの供給", "ピンの押し込み", "ピンを曲げる"という3つの主要なステーションは可能な限り多くの同一部品を使用する標準モジュールをベースにしています。

  • 3つのステーションには全てベースとして同一のベースプレートを備えています。
  • プラグハウジングはコンパクトなハンドリングシステムYXMxを使って移動します。
  • 全ての電動/空気圧アクチュエータはCPX-MPAバルブターミナルと組み合わせたコントローラCECC-X経由で制御されます。
  • 圧入/曲げステーションはサーボプレスキットYJKPをベースにしています。

Harwin plc Europe

Fitzherbert Road, Farlington
Portsmouth, PO6 1RT
UK

www.harwin.com

活動分野:回路基板用の電気コネクタおよび機械部品の製造

  1. Festoカスタママガジン"trends in automation", 2017年1号掲載
概要