Bursaへ新鮮な水を

数百万人規模の都市のためのサンドフィルタシステム

トルコのBursaという大都市にはきれいな飲み水があります。Festoはそこにある水処理プラントDobrucaの全体を運転・制御レベルから現場のプロセスバルブに至るまで近代化しました。Festoのコンポーネントは相互に調整されているため単一のソースからモーションコントローラを作ることができました。Festoが提供したものにはSCADAシステムの納品と設置, 現地の従業員のトレーニング, 1年間フルタイムで協力していたFestoのスペシャリストによるオン・ザ・ジョブ・トレーニングも含まれていました。

トルコ西部のBursa県の給水は上下水道の公共企業であるBUSKI社が担当しています。同じ名前の県都であるBursaはトルコで4番目に大きな大都市です。約300万人がここに住んでおり、1日あたりの飲み水必要量は70万m³です。BUSKI社は故障のない給水を確立し、ヨーロッパの基準に沿った機能的なインフラを設計するために大きな努力をしています。

これまではシステムの不具合は現場の保守担当者でなければ発見できませんでした。また一定期間ごとに塩素を添加していたため水質が変動していました。水処理の近代化プロジェクトのさらなる目標はエネルギーの節約でした。この課題はFestoにとって決して新しいものではありませんでした。Festoはトルコですでに他の6つの水処理プラントを包括的に自動化・近代化しています。

その中心的な課題となったのがサンドフィルタシステムの近代化とオートメーションでした。ここではその方法をご紹介します。またはFestoのソリューションに直接ジャンプしても構いません。

不快な後味のない飲み水

自治体の水供給会社であるBUSKI社はその水処理プラントの1つを近代化するために、経験豊富な技術パートナーを探していました。入札では5つの目標を達成することが求められました。

一貫したオートメーションにより運転安全性を向上させること。これによって洗浄水やフィルタの砂の消費量が減ることで水処理のコストを削減すること。センサ技術によって管理責任者が故障を素早く検知し、予防的なメンテナンスによってスムーズな運転を可能にすること。また無臭の水を作るために、必要に応じて殺菌剤の分注を制御できること。ただし、消費者の健康リスクは最少限に抑えること。的確なトレーニングにより新システムの効率的な運用に向けてスタッフはよく準備することができました。

徹底的に自動化された水技術

製品やアクセサリに加えてFestoは水技術のための包括的なソリューションを提供しています。トルコのBursaを拠点とする水供給会社に対し、Festoのエキスパートが最初の計画段階からスタッフのオン・ザ・ジョブトレーニングまでをサポートしました。

目標を実現するためのロードマップ

Festoの専門家はBUSKI社と協力して処理プロセスの全ての重要なステーション(ろ過槽, 分注, 沈殿槽, 汚泥濃縮槽, 塩素処理)を含むニーズ分析を行いました。その結果、全自動化やスムーズな運転, シンプルなメンテナンス, スタッフのトレーニングなど全ての要求を満たす説得力のあるコンセプトが完成しました。

最先端の水処理技術

このコンセプトを導入した結果、合計28台のサンドフィルタが完全自動運転できるようになりました。各フィルタには新しいコントロールパネルと、モジュール式のCPXターミナルを持つ空気圧コントロールキャビネットが設置されました。またメインの電気制御盤も新しくなりました。

バルブの古い駆動技術を空気圧のリニアアクチュエータおよびターンアクチュエータに置き換えました。圧縮空気ネットワークも交換し、カスタマイズしました。各ろ過槽はバルブターミナルを使って制御されるようになっています。

添加される化学物質はオートメーションプラットフォームCPXをベースにしたシステムを使って正確に分注され、流れる水の量に合わせて添加量が自動的に調整されます。この際、全てのデータはSCADAシステムに転送されます。

SCADAによる管理と制御

これまで手作業で行っていた作業をデータセキュリティを考慮して冗長性を持たせた新しいSCADAシステムで行っています。このシステムはプロセス全体を監視し、全てのプロセスデータを使って予防的メンテナンスや運用タスクのためのステータスレポートを自動的に作成します。圧力, 充填レベル, バルブの位置, フィルタの交換時期, ポンプの稼働時間などの値を従業員がわざわざ個別に記録する必要がなくなりました。これに代わってSCADAセンターと呼ばれるビデオウォールを持つ新しいコントロールルームで全てのパラメータを集中的に読み取ることができるようになりました。そのために、システム全体に光ファイバーのネットワークを設置しました。

資格取得とOJT

Festo Didacticのトレーニングプログラムは300時間で構成されており、従業員はシステムとそのメカトロニックまたは空気圧コンポーネントを安全に操作できるようになります。この種のトレーニングでは理論と実践が有意義に補完し合い、最後にはFestoからの証明書が従業員に与えられます。

またトルコの子会社の一人のエキスパートが1年間、現地に滞在しました。彼は立ち上げの段階でスムーズな稼働を保証し、常に質問に答えてくれました。現在ではBUSKI社の整備士自身が完全に自動化されたシステムを効率的に操作・メンテナンスできるようになっています。最終的に改修された水処理プラントDobrucaの成功を確実にするのは彼らなのです。

より良い水をさらに効率よく

BursaのDobrucaプロジェクトの成果は明らかで完全に自動化された新しいシステムはより安全に、より経済的に、より効率的に稼働しています。Festoがトルコ最大の水供給業者であるISKI社ですでに成功を収めていたことは水技術に関するFestoの能力を証明していました。ドイツ製のクオリティ, Festoブランド, 空気圧によるオートメーションのコンセプトはBUSKIを納得させるものでした。Festoは操作やメンテナンスが容易で確実に機能するアクチュエータやバルブを持つシンプルなシステム設計による、安全でクリーンなソリューションを実現します。

エンジニアリングではFestoのトルコの従業員が示した専門知識と提供したサポートが高く評価されました。また完全に自動化されたシステムのコストが比較的低いこと、詳細なトレーニングプランや運用開始後1年間のコーチングなどもBUSKI社の経営者がFestoのコンセプトにゴーサインを出すための説得材料となりました。

一滴の中にも見られるオートメーションの成果

包括的なオートメーションのおかげで新しい処理システムについてのBUSKI社の要件が全て満たされました。プロセス関連の操作は空気圧バルブによって確実かつシームレスに実行されます。水処理の効率と同様に、水質は大幅に向上しました。ろ過砂と洗浄水の損失が最少限に抑えられました。特に、水の味も大幅に改善しました。これは多くの従業員が最初に気づいたことでした。

成功例をダウンロード

空気圧によるサンドフィルタシステムの近代化。もう一度お読みください、BUSKI社とFestoによるその方法。 

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