成果を上げる輸液

B. Braun Melsungen社には非常に良いアイデアがあり、そしてそれを一貫して実行しました。輸液用の新工場では製造がほぼ規格化されることになったのです。B.Braun社はこれにより生産性の向上とプロセスの信頼性の向上、そして同時に運用コストの削減を期待していました。そしてこれを実現したのです。そこにはFestoのサポートがありました。

B. Braun Melsungen AG社はヘルスケア市場向けのソリューションを提供する世界有数の企業です。この製薬・医療技術会社は45箇所の拠点で麻酔, 集中治療, 心臓病学, 体外血液治療に外科手術用の製品を製造しています。顧客には病院、一般開業医, 介護サービス施設などが含まれます。1839年にMelsungenに薬局として設立されたこのファミリー企業はほんの数世代でグローバル企業に成長しました。

ヨーロッパにおける最新の輸液製造
毎年6億個以上の容器の輸液がヨーロッパ全体で消費されています。ここで消費される輸液は3個に1個の割合でMelsungenから出荷されています。ここでは70年以上にわたって輸液が製造および開発されてきました。2005年にはMelsungenの郊外に新たな製造拠点であるPfieffewiesen工場が建設されました。それ以来、B. Braun社はこの新しいLeading Infusion Factory Europe(LIFE)工場でヨーロッパで最新の輸液の製造を行ってきました。

効率化を指針に

製薬業界での製造を効率化するにはどうすればいいのでしょうか?この問いはB. Braun社の新しい3チャンババッグの輸液にとってとても重要なものでした。LIFEではダウンタイムの最小化とシステム可用性の最適化を保証する必要がありました。このためにFestoのエキスパートはこれまでの製造のバリューチェーン全体(つまり一次過程と二次過程)を調査しました。オートメーションの規格化に、改善のための大きな可能性が秘められていることは間違いありませんでした。

これはとても簡単に理解できることです。工場内で同じオートメーションソリューションを持つ構成要素が多いほど、故障しやすいインタフェースが少なくなり、制御, メンテナンス, 修理が容易になります。調整用システムから充填、梱包に至るまで均一なオートメーションソコンポーネントは制御性能を向上させます。これにより製造プロセス全体が透明化され、コントロールしやすくなります。

顧客の要件に従って規格化された制御盤

製造から梱包までで用いられる様々な空気圧コンポーネントとソリューション - ここにも最適化の大きなポテンシャルがあります。Festoは実装されたソリューションをB.Braun社と一緒に検討しました。顧客要件をベースにFestoは機器の提案を行いました。これにはあらゆる場所に適合する標準制御盤のコンセプトも含まれていました。プロセス制御システムへの接続に関する全ての要件をまとめ、カスタマイズされたバルブターミナルキャビネットを開発しました。

規格化の中心となるのがFestoのCPX-MPAバルブターミナルです。フレキシブルな制御コンセプトのおかげで全てのフィードバックデバイス, アクチュエータ, バルブをここに接続できます。これらの制御盤は輸液バッグの製造において合計4,000個のダイアフラムバルブとプロセスバルブを制御します。

これらの新しい標準コンポーネントは組み立てられ、各プロジェクトパートナーによって実装されました。B. Braun社の機械メーカーおよびシステムメーカーはヨーロッパ中に点在しているためこれは課題になりました。幸いなことに、Festoは同じように国際的に展開しています。Festo独自の販売およびサービス体制により組み立てが簡素化され、指定された制御盤を関係する世界各地の全ての企業へ提供できました。Festoは作業の調整を行い、推奨機器を実装する際にスタッフによるサポートも提供しました。

プロジェクト設計段階でのフルサービス

Festoは45のReady-to-Installのバルターミナルキャビネットを設計, 製造, 納品しました。完全に組み立てられており、設計データ、回路図が含まれ、機能保証と定価保証が付いています。B. Braun社は機械メーカー向けにすぐに接続できるモジュールを得ただけでなく、価値を創出できる完全なパッケージも得ることができたのです。

これにより様々な利点がもたらされました。Festoのシステムソリューションが調達プロセスを容易にし、設計の手間を、プロセスコストを削減し、専門スタッフの負担も削減します。これはFestoのお客様がさらなる時間の節約を得られることを意味しています。まず、単一のサプライヤと協力することで購買が透明性を持って簡潔に行われるだけでなく、より迅速になります。もう1つの効果としてシステムのコミッショニングを早期に行うことができます。テスト済みでReady-to-Installのモジュールを使ったオートメーションは多くのインタフェースを利用して個々の部品を組み立てるよりも常に望ましいものです。

運転中の効率の利点

規格化されたプロセスオートメーションの利点は運用コストにも反映されます。Leading Infusion Factory Europeはその模範的な例です。調整用システムから充填機, 殺菌機, 検査機, 包装機に至る全ての機械やシステムは全く同じかよく似た空気圧ソリューションで動作します。これによりメンテナンススタッフに必要なトレーニングの量がすでに削減されます。避けられないシステムのダウンタイムはより迅速に解消できます。全体としてシステムの可用性が大幅に向上します。

B. Braun社はスペアパーツの購入でも節約を達成します。使用されているコンポーネントの種類が少ないため同じパーツの注文数量が多くなり、パーツ1個当たりのコストが低減され、仕入れ価格が下がります。これはストレージスペースが少なく、マスタデータのメンテナンスにかかる労力が少ないことも意味します。実際、これによって在庫回転率も上がり、在庫の切り下げも抑えられます。

全体としてシステムの複雑さが軽減されると、プロセス全体がスピードアップします。システム運用者はすでにメンテナンス対策を計画する段階から、はるかにフレキシブルに対応できるようになります。最大のメリットは空気圧システム全体に対して1人の担当者で済むことです。「スタッフやスペアパーツについての計画をより適切に行い、スタッフをより具体的にトレーニングし、そのうえコストを大幅に減らすことができます。」(Klaus Sonntag:B. Braun社) メンテナンスの責任者である彼はきちんとした信頼できる担当者を持つことの価値を強調しています。「システム運用者は常にサプライヤの品質と時間厳守に何らかの形で依存しています。」


生産性が向上し、コストを削減

新たに製造する前のB.Braun社の旧システムでは6社の異なる空気圧システムサプライヤのオートメーション製品を使っていました。このためメンテナンスとサービスは比較的複雑でそれに応じてコストがかかりました。今やB. Braun社はプロセスシステムから包装機まで統一された製品技術に依存することができます。

最終的にPfieffewiesen工場での一貫した規格化によりプロジェクト時間とエンジニアリングコストが大幅に削減されました。全体的に複雑さが軽減されると、システムの運用と可用性にプラスの効果があります。運用コストと同様に、操作およびメンテナンスコストも削減されました。さらにこの製薬会社はスタッフの編成やスペアパーツの計画がはるかに容易になったことでさらに効率を高めています。

転送

Festoの製品を選ぶ際にはまず御社の専門技術者に意見を求めてみてください。こちらのリンクから提案されたソリューションとアプリケーション例をそのまま転送することができます。

B. Braun Melsungen AG

Carl-Braun-Straße 1
34212 Melsungen
Germany

www.bbraun.de

  1. 写真:B. Braun社
概要