Festo USAは PerkinElmerと協力し、世界をリードする医療機器メーカー向けのコンパクトなサンプルハンドリング用ソリューションを開発しました。顧客が早い段階で開発プロセスに関与したおかげで、このサブシステムはFestoの標準コンポーネント、PerkinElmer® JANUS G3ワークステーション、そして変更済みロータリグリッパモジュールを使用して、お客様のプラットフォームに簡単に統合できます。このアプローチにより複雑さを最小限に抑えつつ、生産性とプロセスの信頼性が最大化されました。
Festoのソリューションはモジュール式のJANUS® G3液体ハンドリングワークステーションの一部であり、さまざまな顧客要件に合わせて柔軟に調整できます。アプリケーションでは以下のプロセスステップが考慮されます:異なるサイズのサンプル容器をラックから分離する → サンプルを識別する → ボルテックスする → カバーを開く → 開いたサンプルをピペットの下に置く → サンプリング後にカバーを閉じる → サンプル容器を置くラックに戻す。
寸法が大きく異なる 2種類のサンプル容器を取り扱う必要があります:ThinPrep®:直径 42mm x 高さ 75mm、SurePath®:直径 33mm x 高さ 52mm。
サンプル容器のキャップは平らであるため、自動化には適していません。このことは最大 2Nmの高トルクでの開閉に特別な要件を課します。容器の底の特殊な形状により位置がわずかに変化しただけでも、サンプル容器をラックに戻せなくなる可能性があります。
お客様はそれぞれ 48個のサンプル容器付の2つのトレイを持つ作業エリアをカバーする、完全電動の産業用ロボットをお求めでした。また、ソリューションは既存のプラットフォームを変更することなく、外観的にもシステム全体に完全に適合する必要がありました。さらにすでに市場に出回っているシステムの後付けオプションも必要でした。
FestoはFesto標準コンポーネント、PerkinElmer® JANUS® G3ワークステーション、お客様固有の ロータリグリッパモジュールで構成される、合計 5つのサブシステムを開発しました。
お客様との緊密な連携・協力により産業用ロボットの複雑さを最小限に抑えることができました。産業用ロボット(3次元ガントリ)は JANUS® G3ワークステーションの既存のガイドを使用するため、コンパクトな軸を選択することができました。改造された標準グリッパを持つロータリグリッパモジュールは 3次元ガントリの一部であり、個々のサンプル容器をトレイから取り出すために使用されます。サンプル容器がバーコードリーダーによって一意に識別されると容器は垂直軸を中心に非常に高速で回転し、容器内のサンプルが懸濁液と確実に混合されます。次にサンプル容器を開いてピペットの下に保持します。サンプリング後、容器は再び閉じられボウルに戻されます。
サンプル容器のキャップはすべてのプロセスステップの間、ロータリグリッパモジュールによって継続的に把持されます。これにより各サンプル容器を開閉した後も、トレイに高精度で戻すことが可能となっています。
現在はワークステーション全体のいくつかのベータ版が選ばれたエンドカスタマーによってテストされています。これと同時にシステム全体が TÜV によって認定され、将来的に幅広い市場で利用できるようになります。
Festoとの協力関係は多くの点でお客様に利益をもたらしました。Festoのサンプルハンドリングソリューションはシステム全体の速度、柔軟性、およびプロセスの信頼性を向上させ、複雑さを最小限に抑え、さらにはコンポーネントの使用効率を最大化します。さらにお客様は開発コストを削減し、市場投入までの時間を短縮することができました。Festoとの共同エンジニアリングは戦略的イノベーションに専念し、絶えず変化する市場の要求にさらに柔軟に対応する余地をお客様に与えるために今後はさらに強化されるでしょう。
研究使用のみ。診断手順には使用できません。