Johan Fredrikssonはスウェーデンの木材供給会社であるNorra Timber社のSävar Såg製材所で製造開発を担当しています。この製材所は同国北部のどこまでも続く松やトウヒの森の中に位置しています。ですから、木材が豊富にあるのです。「とはいえ、競争の激しい木材業界でも生産性を高めて利益を上げるためには高度な技術に投資することが重要です。」Fredrikssonは強調します。この製材所のもう1つの目玉はバンドソーラインの上流に設置されたコンピュータトモグラフィです。これにより幹の品質を評価し、最適なカットパターンを実現します。また鋸の刃を破壊する恐れのある石の塊などの異物を検知し、システムを保護します。
製材工程においてもFestoのオートメーション技術はフレキシブルな機能ターミナルCPX/VTSAと多数のDNC規格シリンダでモジュール式のデザインをサポートします。フレキシブルなフィールドバスモジュールのおかげでシステムモジュールは世界中の個々の顧客の要件に適合できます。配線工数を大幅に削減したバルブターミナル技術により取り付けやコミッショニングの時間を短縮することができます。
Fredrikssonは歩留まりの向上を誇り、報告しています。「これまでは幹の50%しか製材に使えませんでした。新しいバンドソーラインでは幹1本あたりの木材収量が6%増加しました。」これによりNorra Timber社は2020年までに年間製造量を製材板で270,000 m³にすることを目指しています。幹の残りの部分は紙パルプ産業で使われる木クズや、乾燥機の熱源となる自社の熱電併給ユニット用のオガクズや樹皮などになります。「USNRの新しいバンドソーラインは他の製材技術よりも優れています。繊細で正確な切断によりオガクズや木クズが比較的少ないからです。」製材所のエキスパートであるFredriksson) 生産性向上のためのもう1つの利点があります。個々のモジュールを持つバンドソーライン全体ではコンベアライン上の幹間の距離がますます短くなるため高いベルト速度も利用できるようになります。
「オートメーションプラットフォームCPXと機能統合型バルブターミナルCPX/VTSAは空気圧、サーボ空気圧、油圧を問わず、全てのアクチュエータを制御し、ここでのモジュール式の構造に大きく貢献しています。」USNR社のデザインマネージャであるJonas Ljung) IP65構造の堅牢なバルブターミナルは粉塵やおがくず、のこくずに耐え、様々な圧力ゾーンで動作します。このバルブターミナルはDNC、ADNタイプの多数の空気圧シリンダを制御し、位置決め、クランプ、センタリング、搬送などの機能を果たしています。
油圧アクチュエータはオートメーションプラットフォームCPX経由で電気パルスを受け取ります。幹のサイズが異なるためにさらにフレキシビリティが必要な場合、つまりクランプやセンタリングの位置が異なる場合はCPX/VTSA経由でサーボ空気圧モジュールCMAXで空気圧シリンダを制御します。またこの目的で使用される空気圧シリンダDNCには精密な位置決めを行うための変位エンコーダが追加で搭載されています。
フィールドバスモジュールCPXはプロセス制御レベルへの接続を維持します。「ここスウェーデンでは主にProfinetモジュールを使っていますがヨーロッパの他のお客様にはSchneider Electric社のModBusを使っています。ただし、米国とカナダではCPXにEthernet/IPモジュールやDeviceNetモジュールを搭載してバンドソーラインを納入することができます。」LjungはFestoの機能統合型バルブターミナルの高いフレキシビリティについて語ります。
CPX/VTSAではIP65という高い保護等級のため制御盤を設置する必要がありません。これに加え、フィールドバス技術を活用することにより取り付けとコミッショニングの時間が65%短縮されます。また接続箇所が80%少ないため配線作業が軽減されます。「これらの事実に加えて私たちにとって重要なのはFestoが10年以上にわたって私たちのオートメーション技術のパートナーで同社のオートメーションのエキスパートが世界中で常にサービスとコンサルティングを提供してくれることです。」システムメーカーのUSNR社のLjung)
写真:Norra Timber社バンドソーラインのプロジェクトマネージャ、Johan Fredriksson:(右)、USNR社のデザインマネージャ、Jonas Ljung:(中央)、Festoのインダストリーマネージャ、Kristian Lütz。
Norra Timber社の長年のパートナーであるUSNR社はスウェーデンでは最近までSöderhamn Erikssonというブランド名で知られていました。USNR社は木工機械で世界をリードする米国の企業グループです。Söderhamn Eriksson社の統合によりこの北米の企業は北欧に強力な足場を築くと同時に木材加工技術における先進的企業を得ました。スピード、生産性、フレキシブルなオートメーションの面でこのスウェーデンの会社は業界で世界的に名を馳せていました。
「USNR社が2週間で新しいラインを設置したことを非常に嬉しく思います。その結果、4週間後には再びフル稼働できるようになりました。計画では6週間以上の休みが必要になっていました。」Norra Timber社のプロジェクトマネージャであるFredrikssonは報告します。バンドソーラインのモジュール式構造によりコミッショニング時間の短縮が可能になりました。レデューサ、ログターナ、コンベヤライン、バンドソーユニットはそれぞれ独立したユニットでセーデルハムンにあるUSNR社のスウェーデン支社の組立ホールでオートメーション技術を駆使して組み立てられた後、完全なモジュールとしてNorra Timber社の工場ホールに設置されました。
Norra Timber
Skeppargatan 1
Box 4076
904 03 Umeå
Sweden
活動分野:ファサードクラッディングやフローリング用の建設業界向け木材のソーイング・販売。
USNR
Box 113
826 23 Söderhamn
Sweden
活動分野:製材所向けのバンドソーラインやその他の木工機械のメーカー