Bayer社Crop Science Divisionは作物保護の有効成分および対応する製造プロセスを開発しています。より速く、より個別に製造するために、同社は必要な工程を1つにまとめたいと考えていました。オートメーションのスペシャリストで長年のビジネスパートナーであるFestoは早い段階で計画に含まれていました。

このプロジェクトはエンジニアにとって厳しいタスクであることは明らかでした。Bayer社は既存のサブシステムと機器を互いにフレキシブルに接続して操作できるように、新しいシステムを設計しました。プロセス制御システムは67のモーションコントローラに分割されているためプロセス制御もフレキシブルに調整できます。同時に防爆にはより厳しい要件が適用されました。Bayer社はこの多目的システムで運用目的で可燃性液体を処理しており、プロセスは頻繁に変更されることから、進行中のプロセス開発には多数のインタフェースと介入ポイントも必要です。このためシステム全体が爆発の危険性があるゾーン1と2に分類されました。

安全な多目的システムの要件

セキュリティリスクを最少限に抑える

コンポーネントとプロセスの信頼性が高いほど化学プラント全体がより安全に機能します。冷却水は電気エネルギー, 緊急停止装置, リリーフ装置, ポンプ、攪拌装置, プロセスバルブと同様に利用が保証されていなければなりません。全てのプロセスの機能的安全性はシステムオペレータから電気計装, 制御, 調整技術の安全機能までの、全ての決定的な要素が確実に機能することによって得られます。

化学・石油化学産業では特に稼働実績のある電気計装, 制御, 調整技術コンポーネントはプロセスシステムの安全性と可用性にとって非常に重要です。これらのコンポーネントにより過圧などの危険なシステム状態を回避するだけでなく、トレンドを早期に認識できるため効果的な対策(一部自動)が可能になります。例えば温度勾配を計算することで暴走反応を検出することができます。

収益性を最適化

プロセスシステムは電気計装, 制御, 調整技術コンポーネントの信頼性が高くなるほど、いっそう経済的に稼働します。プロセス技術の観点からシステムをすでにかなりの程度最適化している場合でもダウンタイムのないシステムを実現することでより高い製造量を実現できます。IEC 61508に従って認定された稼働実績のある電気計装, 制御, 調整技術コンポーネントの使用により検査サイクルと検査時間を最少限に抑え、修理による計画外のダウンタイムを確実に防ぐことができます。結果:システム全体が中断することなく生産性を維持できます。

信頼性の高いソレノイドバルブ

Bayer Crop Scienceの多目的システムにはFestoの多数の電気計装, 制御, 調整技術安全装置を設置しています。これらの装置は分注, 排気, 蒸気バルブなどをフェールセーフ位置に切り換えます。これはアクチュエータを制御するソレノイドバルブに影響を及ぼします。ソレノイドバルブは(シングルチャネルアーキテクチャで)安全回路全体のSIL分類以上に分類されていなければなりません。

実際には需要が極端に少ないモードは設計と使用されるコンポーネントにとって特別な課題となります。ソレノイドバルブは通常、数百万回のスイッチングサイクルを想定して作られています。一方、安全回路ではある状況下では何十年も通電し続ける可能性があり、それでもソレノイドバルブは緊急時には確実に反応しなければなりません。そのようなときには時間の経過に耐えられることが証明されているコンポーネントを使用する場合にのみ、安全でいられます。