BionicCobotは人の腕の解剖学的構造を模倣しているだけではありません。生体モデルと同様、この空気圧式の軽量ロボットはその柔軟で繊細な動きによって多くのタスクをこなします。このしなやかさによりロボットは人と直接、かつ安全に共同作業を行うことができるのです。
力を入れて掴んだり慎重に持ち上げたり、しっかり握ったりまたは軽く叩いたり - 私たち人が動くためには常に反対方向に作用する筋肉との連携が必要です。Festoの開発者はBionicCobotの7つの可動ジョイントすべてにこのアゴニスト(プレーヤー)とアンタゴニスト(対戦相手)の原則を技術的に実装しました。
ロボットの肩部分は3軸です。また肘と前腕にはそれぞれ1つ、手首には2つの軸があります。各軸にはそれぞれ2つのチャンバーを持つベーンが配置されています。これらは圧縮空気を充填することでメカスプリングのように無限に調整できる一組のアクチュエータを形成します。
独自の駆動コンセプトにより推力のポテンシャルやロボットアームの剛性の程度を正確に決定することができます。衝突時には空気圧アームを自動的に引くため人に危害が及ぶことがありません。このシステム固有のフレキシビリティ, 自重の軽さ保護ケージなしで使用が可能です。このため、人と機械の間で直接的かつ安全な協働が可能になります。
BionicCobotは特別に開発されたグラフィカルユーザーインタフェースを介して直観的に操作することができます。タブレットを使用するとユーザーは実行が必要なアクションを簡単にティーチングし任意でそれらを組み合わせることができます。プログミングされたモーションシーケンスはオープンソースプラットフォーム ROS(Robot Operating System)を介しキネマティクスを制御および調整する統合された Festo Motion Terminal に送信されます。
リードタイムの短縮、製品ライフサイクルの短縮, 数量や偏差に関する高度な柔軟性など未来の製造の要件は多様であり、かつてないほどの速さで変化しています。人, 機械, データ間も新しい種類の相互作用を必要としています。システム全体のデジタルネットワーク構築に加え人が日常的な協力体制のなかで支援しつつ、ロボットをベースとした自動化ソリューションに主に焦点が当たります。
安全なインタラクションと自然なモーションシーケンス、そして直観的な操作性によりBionicCobotは実に様々な業界で大きな可能性を秘めています。特に単調で頭を使わない、あるいはまったくもって危険な作業などではこのロボットはアシスタントロボットとして組み立ての現場に投入され、人の負担を減らします。