BionicFinWave

ユニークなフィン駆動の水中ロボット

海洋ボルテックスワーム, イカ, ジムナーカスには1つの共通点があります。移動するために彼らは縦方向のヒレで一貫した波を作り、その全長にそった波で体を押し進めます。このいわゆる波状のヒレ動作によってBionicFinWaveはアクリルガラス製のチューブも通過します。自律型水中ロボットは無線を介して外界と通信し記録された温度と圧力のセンサ値などのデータをタブレットに伝送することができます。

自然界のモデルでは縦方向のヒレが頭から尾まで伸びており、背中, 腹, 体の両側に位置しています。ヒレの波打つ動きで魚は水を後方に押し前方への推進力を生み出します。逆にこれらは後方へ泳ぐことも可能です。波のパターンに応じて浮揚力, ダウンフォース, または横方向の推進力をつくり出します。

リアルな遊泳操作を実現するシリコンフィン(シリコンヒレ)

BionicFinWave は2枚の横ヒレを使って移動します。これらのヒレは完全にシリコン製で支柱やその他のサポート要素はありません。このためこれらのヒレは非常にしなやかで、生体モデルのように滑らかな流体波の動きをリアルに実装することができます。

左右のフィレは9本の小さなレバーアームに取り付けられています。そしてこのレバーアームは水中ロボットの本体に配置された2つのサーボモータによって駆動されます。隣接する2本のクランクシャフトがレバーに動力を伝え、2枚のヒレを個別に動かすことができます。このためこれらはゆっくりとした正確な移動に特に適しており、従来のスクリューによる推進システムよりも水の巻き上げが少なく、様々な波のパターンを生成することができます。

カーブを泳ぐときなどには外側のヒレが内側のヒレよりも速く動きます。これはショベルカーのキャタピラのようなイメージです。BionicFinWave の頭部に搭載された3つ目のサーボモータは体の曲がりを制御することで上下に泳ぐことができます。これに応じてクランクシャフトも柔軟でしなやかであるように、各レバーセグメント間にはカルダンジョイントが配置されています。このためジョイントとコネクティングロッドを含むクランクシャフトは3D プリントプロセスを使用してプラスチックで一体成形されました。

様々なコンポーネントのインテリジェントな連携プレイ

BionicFinWave の残りのボディ要素も3D プリントのプロセスによるものです。ボディは空洞で浮揚力があります。同時に非常に狭いスペースで制御技術の全体が密閉かつ安全に設置され、相互に調整されています。このためボディの前部にはプロセッサと無線モジュールを搭載した PCBと圧力センサ、超音波センサも配置されています。これらのセンサは壁までの距離と水中の深さ位置を永続的に測定しこれによってパイプシステムとの衝突を回避しています。

プロセス産業のための新しい刺激とアプローチ

最先端のバイオニクステクノロジーによりFestoのBionic Learning Networkは液体内で使用される自律型ロボットと新しい駆動テクノロジーに関する将来の取り組みに再び刺激を与えています。例えば水および汚水処理技術 やプロセス産業の他の分野における検査、一連の測定またはデータ収集といったタスクのためにBionicFinWave などの概念をさらに開発することなども考えられます。さらにプロジェクトで得られた知見はソフトロボティクスコンポーネントの製造プロセスに利用されます。