低振動でやさしくチェック

燃料電池用バイポーラプレートの品質検査

燃料電池はサステナブルな発電のための希望の光となる存在です。その用途は多岐にわたります。バイポーラプレートの品質保証のための新しいシステムでは電動シリンダEPCOが振動を回避する役割を果たし、短いサイクルタイムで継続的なテストが可能になります。

高効率かつ低排出で機械的な摩耗がない燃料電池にはサステナブルなエネルギー供給源として多くの利点があります。燃料電池は車両の駆動、モバイルデバイスへの電力供給に適しており、定置型発電所の効率的な電力源などとしても最適です。いわゆるバイポーラプレートはそれらの最も重要なコンポーネントの1つです。金属、プラスチック、またはカーボンナノチューブで作られた電極板は白金やパラジウムなどの触媒でコーティングされています。この電極板は反応ガスと冷却流体を互いに分離し、これらを燃料電池のそれぞれの反応領域に分配します。良好な電気伝導率と熱伝導率を持ち、化学的影響や強い機械的接触圧力に対して堅牢であるためにはバイポーラプレートは非常に高品質でなければなりません。P+K Maschinen- und Anlagenbau GmbH社の新しいテストシステムはバイポーラプレートの表面特性をチェックし、厚さを測定します。FestoのステッピングモータEMMS-STとモータコントローラCMMO-STを持つ電動シリンダEPCOによりテストシステム内でバイポーラプレートは振動なく搬送されます。このシステムはDuisburgのZBT GmbH社(燃料電池技術センター), BerlinのGFaI(応用コンピュータサイエンス推進協会), Dortmundのdivis intelligent solutions GmbH社によるZIM(ドイツ連邦経済エネルギー省の中小企業向けセントラルイノベーションプログラム)協力プロジェクトの一環として開発されました。

エネルギー変換の必要なし

170年以上前に考案された燃料電池の開発は長い間内燃機関の影に隠れていました。燃料電池は1960年代にはすでに無排気のエネルギー源として月面着陸を可能にしましたがそのポテンシャルが一般に知られるようになったのは気候に関する議論が活発になってからです。燃料電池は熱機関とは異なり、化学エネルギーから直接電気エネルギーを生み出します。熱処理や機械的な作業による変換は必要ありません。燃料電池は複雑な熱や力への変換を必要とせず、高効率を実現します。各電池は2つの電極とバイポーラプレートとも呼ばれる半透明のダイアフラムで構成されています。電気エネルギーは2つの電極間で水と酸素の電子と陽子を交換することによって生成されます。

需要が高まる再生可能エネルギー

Michael Karcher(Festoのエキスパート)のカスタママガジン"trends in automation"でのインタビュー。

trends in automation:Festoは再生可能エネルギーの開発をどのようにサポートしていますか?

Michael Karcher(Festo DE, ELAおよびソーラー産業セグメントの責任者): Festoは2006年から再生可能エネルギー発電の製造技術分野で研究を続けています。Festoは新しいテクノロジーのプロセスを特定し、そのための実用的な技術を開発します。これには例えば繊細な製品の表面性質に影響を与えない新しいグリップツールとハンドリングのデザインが含まれます。

trends in automation:それによって燃料電池の分野でどのような利点が生じますか?

Michael Karcher: 燃料電池の製造では揺れや振動の少ないハンドリングがサイクル時間を向上させ、効率的な製造に貢献できます。製造コストが下がれば燃料電池などの再生エネルギーが市場に定着する可能性が高まります。

非接触のハンドリング

P+K社の革新的なテストシステムは研究目的で使用され、供給産業向けの新しい燃料電池製造技術の開発に役立ちます。テストプロセスは合計12の個別のステーションで行われます。これらのステーション上およびその間で電動シリンダEPCOが振動の少ない搬送を保証します。最初のステーションでベルヌーイグリッパがコンベヤからバイポーラプレートを取り出し、これをワークキャリアに配置します。ここに電極板を配置できるようにするためにコーナーを空気圧で開き、バイポーラプレートをキャリアに挿入してスプリング機構によって空気圧で閉じます。

ソフトに配置

次のステップでは強力な産業用カメラを使ってバイポーラプレートの冷却側を視覚的にチェックします。これは明視野照明と暗視野照明でサポートされています。光の状態を変えることで多様な種類の表面欠陥を特定できます。続くターニングステーションで180度回転した後、フローフィールド側とも呼ばれる下側の表面検査が行われます。後続のテストステーションは合計9箇所でバイポーラプレートの厚さを測定します。ステーションの上に設置されたモニタにはバイポーラプレートの現在の画像が表示され、厚みの測定データは視覚化によりアクセスしやすくなります。画像データとの比較によりバイポーラプレートが十分に良好な品質状態にあるかどうかが示されます。欠陥のある部品はその後のプロセスから排除され、システムは良品のみを排出ステーションに搬送します。良品はそこでZ軸の電動ハンドリングによってマガジン内に置かれます。電動シリンダEPCOは保管位置への穏やかな動きを保証します。技術的に洗練されたエンドポジションクッション, ボールねじ, ねじれ防止スライドガイド式ピストンロッドによってマガジン内のバイポーラプレートへのわずかな損傷さえも回避します。

連続した搬送

電動シリンダEPCOの調和のとれた動きにより合計16個のワークキャリアをシステム内で連続循環させることができます。こうすることで約4秒の短いサイクル時間を達成できます。つまり、測定ステーションで写真を撮るためにシステムを停止する時間はありません。測定と並行して位置決め作業が実行されますが従来のシリンダを使用した場合には揺れや振動を引き起こし、カメラの測定結果に悪影響を与える可能性があります。スムーズに動作する電動シリンダEPCOであればこのような問題は発生しません。シリンダはまたティーチングをとても簡単にするという利点があり、コミッショニングや製品の変更に必要な労力を軽減します。

IO-Linkはマスタから全てのセンサおよびアクチュエータまでの一貫したシステム全体のバスシステムとして機能します。これによりシステム周辺機器全体を簡単かつ迅速に接続でき、プログラミングに必要な時間が大幅に短縮されました。こうしてP+K社の新しいテストシステムはプロセスオートメーションのコンポーネントを多くの小さなステップで継続的にさらに開発することで先駆的なテクノロジーに大きく貢献できることを示しています。

P+K社 ロータリアクチュエータDRQDによる回転

プレートの回転 を90度または180度実行 - この動作はステーション1での3Dガントリ内でZ軸に取り付けられた空気圧ロータリアクチュエータDRQDによって実行されます。

P+K社 VTUGバルブターミナルを持つコントローラ

VTUGバルブターミナルはIO-Link経由でマスタコントローラに接続され、システム内の全ての空気圧アクチュエータを制御します。

P+K Maschinen- und Anlagenbau GmbH

Schlagbaumer Straße 92a
42653 Solingen
Germany

www.p-plus-k.de

活動分野:メカと電気, 特殊機械の建設, 操作機器, 器具の製作, 組立技術, テストステーション, リーク検出デバイスの分野でのデザイン, 開発と製造

  1. Festoカスタママガジン"trends in automation", 2014年1号掲載
概要