きれいに解決

ラボオートメーションの利点は明らかです。ラボの技術者が単調な繰返し作業から解放されるだけでなく、危険な物質のハンドリングからも解放されます。ラボオートメーションにより週7日、24時間体制のオペレーションが可能になり、サンプルの品質, 再現性, トレーサビリティを向上させます。しかしほとんどのラボにとって最も重要なのはオートメーションが時間と費用を節約するだけでなく、エラーのない分析プロセスを保証し、正しい結果を得ることです。



コンパクトなベンチトッププラットフォーム
モジュール式サンプルプロセッサは石油化学、食品、香料などの分野で必要とされる、数ミリリットルから100ミリリットルまでのサンプルを高圧処理してクロマトグラフィー分析などのサンプルを調整するシステムです。「ベンチトッププラットフォーム」してのコンパクトな仕様によりサンプルが調整され、含水量, 密度, 粘度, 浮遊物質, pH値などがテストされます。「このシステムは様々な種類のサンプルを広範囲の容量でピペッティング, サンプリング, 分注, 計量するといった時間のかかる手作業を自動化するために使っています。」(Markus Schöllauf：Anton Paar社, オートメーションおよびロボット工学部門プロジェクトマネージャ) これにより正確な体積, 濃度, 混合物が得られます。モジュール式サンプルプロセッサは液体および固体用に卓上デバイスとしてや完全なオートメーションソリューションに組み込んで使用することができます。

正確なピペッティングプロセス

EMMS-STタイプのモータを搭載した、X方向にDGEA軸, Y方向にEGSK軸という、Festoの電動アクチュエータを持つコンパクトなハンドリングガントリにより正確なピペッティングプロセスが保証されます。ピペッティングプロセスの終了後、Festoの空気圧AENシリンダは使用済みのピペットを確実に廃棄シュートに排出します。

同じ軸を持つ別のハンドリングシステムが出力トレイからサンプル容器をピックアップし、計量ユニットに載せます。そこでサンプル容器はピペットから必要な量の検査対象物質を正確に受け取ります。次にサンプル容器はハンドリングガントリによってスキャナ上に保持され、データマトリックスコードを使ってサンプルが割り当てられます。このバーコードリーダーを内蔵することでサンプル調整の全過程においてサンプルのトレーサビリティを確保することができます。このプロセスの最後に、サンプルは出力トレイに置かれます。

テスト済みのコンプリートソリューション

「FestoはアクチュエータだけでなくCODESYSコントローラCECCを含む完全なシステムソリューションを提供してくれました。これがなければ4カ月という非常に短い開発期間を達成することはできませんでした。また2つのハンドリングガントリが同じ作業エリアで動いていてもこれらが決して衝突しないようにプログラミングすることができました。」(Markus Schöllauf：プロジェクトマネージャ) Festoは納品前にこれをチェックし、テストしています。

またディスペンスヘッドの開発も決して簡単なものではありませんでした。ここでVODAバルブが役立ちます。メディアバルブは直接制御のダイヤフラムバルブです。圧力をどのように定義するかによって搬送する液体の分注が多くなったり少なくなったりします。バルブの開圧力はダイアフラムの予圧とフレキシビリティによって規定されます。これにより使用する流体を極めて正確に分注することができます。

ワールドワイドでの信頼性

最後に、サンプルをサンプル容器にミリリットル単位で正確に割り当てる必要があります。「このサブプロジェクトではFestoの医療技術とラボオートメーション部門のエンジニアがその専門性と高度な献身を示してくれました。」Schöllaufは語ります。このことが次のプロジェクトへの信頼性を高めていると、彼は付け加えます。そしてFestoの製品, ソリューション、サービスはほぼ世界中で迅速に供給できるという事実もあります。モジュール式サンプルプロセッサをグローバルに販売するために、このこともAnton Paar社のような企業にとって重要なことです。