オランダのSynchron Lab Automation社はFestoとの緊密な協力関係を通して、非常に高いスループット率で自動化された DNA抽出システムを開発しました。種子産業のお客様はこれを使用して1日あたり最大 40,000サンプルからDNAを抽出できます。
Synchron Lab Automationのオーナー兼最高経営責任者である Derk Wilten 氏はFestoとの協力が始まったときのことを次のように説明しています:「以前はソリューションのコンセプトだけを重視し、そのソリューションの実装はパートナーに任せていました。これは当社がもともとソフトウェア会社であることに関係しています。Niels Kruize が入社したとき、彼はターンキーソリューションを自分たち自身で構築すべきだという、彼の強い信念を私たちに語りました。Niels KruizeはSynchron Lab Automation でビジネス開発を担当しています。彼は以前はイギリスで働き、Festoと緊密に協力していました。彼の前向きな経験に基づいて、彼は Festoの技術的ノウハウとコンポーネントを用いて、我が社初の自社開発製品を販売することを提案しました。」
Niels Kruizeの説明は次のとおりです:「Festoはコンポーネントサプライヤのグローバルネットワークとグローバルなサービスとサポートを提供する大手企業です。彼らは設計・デザインの段階から私たちを助け、彼らの知識を私たちと共有してくれました。彼らがさまざまな市場で活動していることは非常に価値があることでした。」 Synchronは世界中の顧客に製品を提供しています。このため、ドイツでもシンガポールと同様に迅速に部品を納品できるパートナーができたことは同社にとって非常に喜ばしいことです。Derk Wilton 氏はすぐに確信しました:「Festoは私たちと同じメソッドで事業を展開しています。プロジェクトを信じてくれるパートナーと仕事ができるのはとても心強いです。」
Synchronの開発者は最初から当初から Festoの集中的なサポートを受けました。Festoのキーアカウントマネージャである Bert Baas 氏は次のように説明しています:「Festoの自動化エキスパートは抽出機の開発の全段階において私たちをサポートしました。たとえば、彼らは新しい CPX-E ユニットを使用して真の付加価値を生み出すことを提案しました。また、販売前のモジュールを今回のプロジェクトに投入してくれました。」
Derk Wilten:「私たちの業界では24時間年中無休の生産というものは行われていません。これにはコンポーネントとソリューションの開発方法が理由となっています。しかし、FestoはIndustry 4.0, 最適な可用性, サービスおよび予兆保全に非常に力を入れています。」 抽出機は現在 8時間連続稼働していますが24時間ノンストップの稼働も可能です。それらの容量は現在市販市場で入手可能な他のオプションのすでに 8倍にものぼります。
Niels Kruize 氏はこう言います:「実際、私たちが作った工場は非常に小さなものでした。最近、我が社のあるお客様がとても貴重な発言をされました。彼は『これはとても美しく、同時にとてもシンプルだ。なぜ今まで発明されなかったのか理解できない』と言ったのです。」 FestoのBert Baas 氏は次のように付け加えています:「これは産業とラボラトリーのオートメーションを組み合わせた、完璧な好例だといえます。」 マシンのハードウェアは機能別に分割され、それぞれが可能な限りシンプルかつ効率的であるように設計されています。小さな工場にはパラレルドライブではなくシリアルドライブが導入されています。プレートはピペッティング, リンス, 洗浄の各ステーションを通過しつつ、連続的に移動・配置されます。
機械で実行されるプロセスは植物育種のために農業で使用されます。DNAは粉砕された植物材料抽出されます。Festoのコンポーネントは全ての局面で重要な役割を担っています。このプロセスは最大 400個のマイクロタイタープレート(入力用に 200個、出力用に 200個)を保持できるキャリアから始まります。
識別と輸送: バーコードリーダー SBSIは動作開始時にすべてのマイクロタイタープレートをスキャンします。電動アクチュエータ EGCとロータリアクチュエータ DRRD、グリッパ DHPSの組み合わせがマイクロタイタープレートをピックアップし、輸送システムに乗ってさまざまなステーションを通過するキャリアに配置します。
洗浄: DNAを他の物質から分離するために金属製のマイクロスフェアが追加されます。DNAはマイクロスフェアに付着し、残りの物質はマイクロタイタープレートに浮かび上がります。いくつかの洗浄ステーションで、マイクロタイタープレートに液体が追加および除去されます。この間、ピペッティングヘッドは電動ゲートバルブ EGSC によって下降します。洗浄後はきれいな DNAがマイクロタイタープレートに残り、輸送システムを介して最終処理ステップである DNA抽出に運ばれます。
抽出: DNA抽出用のピペッティングヘッドは電動アクチュエータ EGCと電動スライド EGSLの組み合わせでハンドリングされます。各プレートには 96のサンプルが載せられており、開始から終了まで20分かかり、2分半ごとに新しいプレートが開始されます。
本機はスイッチングの遅延がほとんどないシリアルモジュール方式を採用しています。システムの制御にはIO-Link® を持つ CPX-EとVTUGバルブターミナルが使用されます。CPX-EはEtherCAT マスタコントローラとモーションコントローラを持つリモート I/O システムまたは PLCとして開発されました。Festoの電動装置とコントローラを組み合わせることで、これは真のイノベーションとなっています。
Niels Kruizeは協力関係に対する彼の信頼が確認されたことを非常に喜んでいます。「それは私たちに莫大な利点を追加でもたらします。この協力は双方にとって真のパートナーシップです。両社にとってこのプロジェクトは全く新しい試みであり、その通信技術も当社にとっては新しいものです。私たちはお互いから学び、次のステップがどのようなものか、未来に目を向けています。」 Bert Baas 氏:「Synchron社とは新しい技術について話し合い、それがもたらす可能性にワクワクしています。」