Bayer社Crop Science Divisionの製品は120か国以上で作物の収穫量を確保し、増加させています。同社が新しい多目的システムを製造する際、そのシステムでは安全性と信頼性について最高水準の要件を満たさなければなりませんでした。検査のサイクルを大幅に短縮し、将来的には修理による予定外のダウンタイムを完全に無くす必要がありました。このためBayer社はFestoのバルブ技術を採用しました。このシステムは長期間にわたって問題なく稼動しているためTÜVはFestoに対し、ソレノイドバルブのテスト間隔を7年に延長した証明書を発行しています。
Bayer社Crop Science Divisionは作物保護の有効成分および対応する製造プロセスを開発しています。より速く、より個別に製造するために、同社は必要な工程を1つにまとめたいと考えていました。オートメーションのスペシャリストで長年のビジネスパートナーであるFestoは早い段階で計画に含まれていました。
このプロジェクトはエンジニアにとって厳しいタスクであることは明らかでした。Bayer社は既存のサブシステムと機器を互いにフレキシブルに接続して操作できるように、新しいシステムを設計しました。プロセス制御システムは67のモーションコントローラに分割されているためプロセス制御もフレキシブルに調整できます。同時に防爆にはより厳しい要件が適用されました。Bayer社はこの多目的システムで運用目的で可燃性液体を処理しており、プロセスは頻繁に変更されることから、進行中のプロセス開発には多数のインタフェースと介入ポイントも必要です。このためシステム全体が爆発の危険性があるゾーン1と2に分類されました。
コンポーネントとプロセスの信頼性が高いほど化学プラント全体がより安全に機能します。冷却水は電気エネルギー, 緊急停止装置, リリーフ装置, ポンプ、攪拌装置, プロセスバルブと同様に利用が保証されていなければなりません。全てのプロセスの機能的安全性はシステムオペレータから電気計装, 制御, 調整技術の安全機能までの、全ての決定的な要素が確実に機能することによって得られます。
化学・石油化学産業では特に稼働実績のある電気計装, 制御, 調整技術コンポーネントはプロセスシステムの安全性と可用性にとって非常に重要です。これらのコンポーネントにより過圧などの危険なシステム状態を回避するだけでなく、トレンドを早期に認識できるため効果的な対策(一部自動)が可能になります。例えば温度勾配を計算することで暴走反応を検出することができます。
プロセスシステムは電気計装, 制御, 調整技術コンポーネントの信頼性が高くなるほど、いっそう経済的に稼働します。プロセス技術の観点からシステムをすでにかなりの程度最適化している場合でもダウンタイムのないシステムを実現することでより高い製造量を実現できます。IEC 61508に従って認定された稼働実績のある電気計装, 制御, 調整技術コンポーネントの使用により検査サイクルと検査時間を最少限に抑え、修理による計画外のダウンタイムを確実に防ぐことができます。結果:システム全体が中断することなく生産性を維持できます。
Bayer Crop Scienceの多目的システムにはFestoの多数の電気計装, 制御, 調整技術安全装置を設置しています。これらの装置は分注, 排気, 蒸気バルブなどをフェールセーフ位置に切り換えます。これはアクチュエータを制御するソレノイドバルブに影響を及ぼします。ソレノイドバルブは(シングルチャネルアーキテクチャで)安全回路全体のSIL分類以上に分類されていなければなりません。
実際には需要が極端に少ないモードは設計と使用されるコンポーネントにとって特別な課題となります。ソレノイドバルブは通常、数百万回のスイッチングサイクルを想定して作られています。一方、安全回路ではある状況下では何十年も通電し続ける可能性があり、それでもソレノイドバルブは緊急時には確実に反応しなければなりません。そのようなときには時間の経過に耐えられることが証明されているコンポーネントを使用する場合にのみ、安全でいられます。
Bayer社はプロセス産業の様々な条件に対応できる、普遍的に適用可能で互換性のあるソレノイドバルブを必要としていました。さらにゾーン1の本質安全回路(Exi)での制御の要件を満たす必要があります。VOFCシリーズのハイエンド3ポートソレノイドバルブはまさにこれらの要件を満たしています。このソレノイドバルブをFestoはSIL 3までのTÜV証明書を添えて納品します。3ポートソレノイドバルブVOFDと同様に、このソレノイドバルブでは2.41 E-4の故障確率が保証されます。これは2,410回の切換動作中に最大1回の切換エラーがあることを意味します。もしバルブが1年に1回のフェールセーフ動作に直面した場合、2410年の間に予想される切換エラーは1回だけです。つまり、緊急時にバルブが切り換わらないことは事実上あり得ません。ソレノイドバルブVOFC/VOFDはEx emとEx iaの発火防止タイプが用意されており、安全回路での使用に最適です。
Festoに非常に満足している会社はBayer社だけではありません。多目的システムはFestoの製品に寄せられる信頼が正しいことを示しています。ここではVOFCシリーズの1,500を超えるソレノイドバルブが安全関連およびその他の制御回路に設置されています。現在までにこれらの部品が故障したことはありませんし、故障が起こる兆候もありません。2015年にはこのうち14個のバルブを取り外し、さらに気候室での耐久テストを行いました。その結果はTÜV Rheinlandも認めるもので新たな証明書の発行にいたりました。それによりFestoは7年間に延長されたテスト間隔を指定できる初の企業になっています。もちろんエラーが発生しないように適切な予防措置を講じ、環境条件を考慮することは常に重要です。しかしFestoで認証されたソレノイドバルブVOFCの使用期間は原則として運用者であるお客様がご自身でフレキシブルに定めることができます。
もう1つのFesto製品はBayer社ですでに長年にわたって成果を上げてきました。これはポリウレタン製チューブとNPQHシリーズのワンタッチコネクタを組み合わせた製品です。これらはソレノイドバルブに圧縮空気を供給するためのラインとして機能します。配管はフレキシブルに行うことができ、組み立ては迅速かつ簡単です。継手のクリップ機構には圧縮空気の損失を防ぎ、必要に応じてすばやく外すことができる一体型のシールリングがあります。
Bayer社にとってこのチューブが持つ紫外線に対する高い耐性は耐薬品性と同様に、運用上のさらなる利点になります。チューブは様々な色で提供することができるので圧縮空気に加えて窒素を使用する場合でも別途マーキングを行う必要はありません。Festoのバルクパックにより長いラインが必要な場合でも接続バルブなしで済みます。このようにしてリークの可能性のある箇所の数を最少限に抑えます。
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