「持続可能性」という言葉は口先だけで語られることがあまりにも多いです。しかしWellspectはそうではありません。同社は失禁ケアのためのソリューションの世界的大手メーカーであり、企業戦略に持続可能性をしっかりと据えており、その実行に取り組んでいます。WellspectではスウェーデンのGöteborg近郊のMölndal工場でFesto Energy Saving Servicesを利用し毎年37,000ユーロのエネルギーコストを節約しています。
これらのエネルギー節約は年間24トンのCO2排出量削減に相当します。エネルギー消費量の減少による嬉しい副作用もあります。カテーテルの包装ラインの1つでコンポーネントの摩耗が減少したため、機械の稼働率が10%向上したのです。
圧縮空気エネルギー効率監査
「Festo Sweden のエネルギー効率専門家であるBo Lilja氏はFestoの圧縮空気エネルギー効率監査によって当社のシステムの弱点を明らかにし当社の圧縮空気システムでどの対策が効果を発揮する可能性が高いかを示した」とWellspectのメンテナンス マネージャーであるErik Blomholt氏は述べています。エネルギーの専門家であるLiljaはこの対策をFesto Energy Saving Services ポータルでWellspectのメンテナンスチームがオンラインで利用できるようにしました。「これによって、リークの除去などの欠陥の除去をシンプルかつ構造的に監視できるようになった」とBlomholt氏は話しています。また、エネルギー損失とCO2排出量もこの方法で定量化できます。
圧縮空気のエネルギー効率監査は5つのステップで構成されています。エネルギー効率の専門家であるBo Liljaは最初の3つのステップで空気圧アプリケーションに注意を向ける前に、システム全体、つまりマシンとシステム自体の圧縮空気の生成、空気圧調質および圧縮空気の分配を分析しました。その際、これらの機械やシステムのエネルギー効率を分析しリークを発見しました。
「駆動機器, バルブ, チューブが最適な寸法かどうか、ブローと真空アプリケーションが効率的に配置されているか、そして取付と制御コンセプトが最適化されるべきかを確認しました」とLiljaは説明します。
最後の5番目のステップで、彼はエネルギー状態を永続的に監視できる圧縮空気監視システムのコンセプトを開発しました。
総合的な分析
分析の最後に、Wellspectはデータの正確な文書化と優先順位付けされた推奨措置を含む詳細なレポートを受け取りました。この文書にはWellspectがGRI(Global Reporting Initiative)やGHG(Greenhouse Gas)などに従って、独自の持続可能性レポートで開示する必要があるエネルギー消費量とコスト, パワーリザーブ, CO2排出量が示されています。
エネルギー効率監査の実施はWellspectの持続可能性戦略の一部です。ここでは膀胱と腸の管理ソリューションを通じて、より多くの人々が充実した独立した自信のある生活を送れるようにすることによる健康と幸福、安全かつ意欲的で刺激的な職場、エコロジカル フートプリントの削減という3つのテーマを最優先事項として掲げています。
サステナビリティ目標への貢献
Wellspect は2045年までにCO2ニュートラルを達成するというビジョンを掲げています。同社の生産施設ではすでに再生可能エネルギー源からのみの電力を運営に使用しています。Festo Energy Saving Services がさらなる節約への道を示すことでしょう。エネルギーおよび設備コストの年間37,000ユーロの節約は3つの生産ラインにおけるものであり、さらに2つの生産ラインがすでに特定されています。「Festoの目標はすべての生産施設のエネルギー使用を最適化することにある。そのため、エネルギー効率の監査をすべてのシステムへ徐々に拡大していく」とメンテナンスマネージャーのBlomholt氏は話しています。
このようにして生産されるカテーテルごとに年間消費キロワット時を継続的に削減することが可能になります。Wellspectは2025年までに、各カテーテルの生産にかかるエネルギー消費量を2020年と比較して12%削減したいと考えています。毎週大量のカテーテルが生産されているため、妥当な数字は大幅なコスト削減につながります。
人工知能と機械学習による予測エネルギー
機械やシステムのエネルギー効率を継続的に監視し目標値と消費量の差を恒久的に修正するため、Festo Automation Experience(略して Festo AX)がWellspectのエネルギー効率を向上させるためにぴったりなツールとなる可能性があります。これは人工知能(AI)と機械学習を使用して機械とシステムのデータから高い付加価値を実現できる使いやすいソリューションです。
Festo AX Predictive Energyを使用すると生産ラインのエネルギー消費の「指紋」が記録され、実際の状況と継続的に比較されます。機械学習と人工知能を使用することで、リークを自動的に検出できます。さらに、考えられるすべてのエラーの原因を事前に記述して学習する必要はありません。このようにして開始されたリークへの早期対応は生産コストを直接削減しソリューションの早期ROIを実現します。
WellspectはスウェーデンのGöteborgに近いMölndalに本社を置きながら1,000人以上の従業員を擁し18か国で事業を展開しています。同社は世界最大の専門的な歯科用ソリューションのメーカーであるDentsply Sironaに属しています。同社は膀胱や腸の機能不全に苦しむ人々のためのソリューションを開発および製造しています。製品ユーザーには脊髄損傷, 多発性硬化症, 二分脊椎や前立腺肥大症の患者も同様です。最もよく知られている製品ラインとしては膀胱管理用のLofricと腸管理用のNavinaがあげられます。高品質の製品ソリューションには患者と医療専門家向けの包括的なトレーニング プログラムが含まれています。