浮揚するためには超伝導体はそれらの転移温度よりも下回る温度を恒久的に保たれなければいけません。このため、超電導のアプリケーションは冷却器が内蔵されているためにこれまでは比較的大きなスペースが必要であったり作業継続時間が大幅に制限されていました。SupraCubeによりFestoは超伝導体ユニットを電気冷却器から分離して最長2時間の自律動作を可能にするSupraMotionコンセプトを初めて発表します。コンパクトなテクノロジーにより、非接触で対象物を移動・ハンドリングすることが可能になります。ラボオートメーション, バイオテクノロジー, 半導体製造など、クリーニングと清潔さが最も厳しく要求される産業に最適です。
SupraCubeでは磁気による浮揚は本質的な部分に絞られ、パッシブ磁気ベースユニットとその上に結合された浮揚サポートがある形になっています。システムのモジュール構造により冷却ユニットが自動的にオフになり、SupraCube が冷却ユニットから最長2時間、切断される前に超伝導体を-210℃に冷却することができます。
一度冷却して冷却器から分離したら、SupraCubeの運転準備は完了です:ロボットアーム先端に取り付けてや他の輸送システム SupraCubeとの並列接続、あるいは隣接する搬送システムへの接続, 隣のセーフティラボでの使用など。磁性サポートと超伝導体の間の安定した浮揚接続により10mm以上の間隔をつくることが可能になります。これにより清潔な作業環境や無菌状態の作業環境などを囲むためのパーティションに十分なスペースが与えられます。
これにより、次のような多彩な用途が可能になります。
SupraCubeの使用中、電気冷凍機と電源を含むドッキングステーションは他のモジュールに順次電力を供給してシームレスな可用性を確保します。作動中SupraCubeは完全に自律的で、エネルギーを消費したり浮揚制御のための計算能力を必要とすることがありません。考え抜かれた巧みな絶縁用部品により最長2時間のダウンタイムの後でも超電導性は損なわれません。
SupraCubeは完全にパッシブであるため、邪魔になるケーブルも不要で敏感なアプリケーションに影響を与える可能性のある振動や電気ノイズもありません。浮揚は表面を加熱することなく達成されるため、熱に弱い製品が損傷することもなく手間のかかる冷却の必要もありません。